この記事では、私がServiceNowの開発チームに参加して最初に知っておきたかった情報をまとめています。
これからServiceNowの導入を進める方、新たに配属された方の参考となれば幸いです。
SaaSサービスの仕様は頻繁に変わります。
最新の情報にアクセスしやすいよう公式ドキュメントのリンクを配置しています。
この記事は2020年3月に公開されました。
参考にする場合は情報が古くなっている可能性に留意してください。
目次
ServiceNowとは
ServiceNowはITサービスマネジメントシステムのSaaS型プラットフォームです。
Now Platformと呼ばれる単一のプラットフォーム上にインシデント管理、ワークフロー管理、資産管理などのアプリケーションが構成されており、ITILに準拠した運用プロセスの標準化や自動化を支援します。様々な製品の中から選択したアプリケーションをインストールし、機能を使用できます。
参考:Quebecのプロダクトディレクトリ
ServiceNowの開発とは
Low-Code/No-Code
ServiceNowの開発ではサーバー・ネットワーク・データベース等のインフラ管理や大規模なコーディングを必要としません。また、プロジェクト管理や機能開発、バージョン管理やテスト、リリースまでほとんどの工程をNow Platform上で管理できます。
具体的にはワークフローやカタログなどServiceNowの機能をカスタマイズすることで要望を実現します。その背景にはアクセス制御やローカライズ、スクリプトの修正などServiceNow固有の機能を熟知している事が重要です。ServiceNowの機能は膨大です。ServiceNowについて学習するには学習ポータルを参照し、まずは初学者向けのトレーニングコース(ServiceNow Basics)を受講してください。
Now Platform
Now Platformはwebベースのインターフェースです。開発者はwebブラウザ上のGUI開発環境でこれらを開発します。
詳細はこちらのドキュメント(Now Platform user interface)に記載のYouTube動画で知ることができます。
このようなLow-Code開発は高品質なプロダクトを継続的に早くデリバリーでき、ある程度の標準化ができる反面、エンジニアにとっては物足りなく感じる場合があります。だからといってServiceNow開発に汎用で高度なスキルが必要ないわけではありません。
例えば、下記のスキルはServiceNow開発で役に立ちます。
・HTML/CSS/AngularJS
・JavaScript/jQuery
・HTTP REST API
情報技術のほかにもITサービス、ビジネス、人事や経理などの広範な知識がプロダクトをより良いものにします。
インスタンスのアップグレード
ServiceNowは2四半期ごとに新しいバージョンがリリースされます。サポート対象は最新のバージョンとその一つ前までです。これは少なくとも毎年1回以上のアップグレードが必要なことを意味しており、開発工数のいくらかの割合を占めます。
なお。ServiceNowのバージョンは主要都市の頭文字がアルファベット順になるよう命名されており、2020年Q1のリリースバージョンはOrlandです。新しいバージョンが2四半期ごとにリリースされます。
直近3年間のバージョン履歴
インスタンスのアップグレードについては下記の記事を参照してください。
ServiceNowインスタンスのアップグレードについて[備忘録]
情報の収集源
公式ドキュメント
https://docs.servicenow.com/
公式コミュニティサイト
https://community.servicenow.com/community
公式開発者ブログ
https://developer.servicenow.com/blog.do
フォーラム(Service Now Japan)
https://community.servicenow.com/community?id=community_forum&sys_id=30f6296edb095f44032a7a9e0f9619c9
ユーザーコミュニティ
Slack:https://sndevs.slack.com/
twitter:https://twitter.com/sndevs
git:https://gitlab.com/sndevs
web:https://sndevs.com/
開発に必要な情報のほとんどは、公式ドキュメントと公式コミュニティサイトから得られます。そのため、実際にはこのような個人ブログから情報を入手する必要はあまりありません。
ユーザーコミュニティではSlackが最も活発に交流されています。
定期的に公式のWebセミナーが実施されています。
インスタンスを契約している場合は、Now Supportから24時間365日のサポートを受けることができます。
開発ポータル/個人開発者インスタンス(PDI)
開発ポータルでは、無料のwebトレーニングや個人用開発者インスタンス(PDI)の作成ができます。
いくつか制限があるものの、ServiceNowの殆どの機能を利用できます。
PDIにはデフォルトでデモデータが入っており、NowLearningの各トレーニングコースをハンズオン形式で学習することができます。
PDIは10日間ログインをしないとスリープ状態に入り、その後削除されることに注意が必要です。
ラーニングパス
ServiceNowのラーニングパスは対象者のペルソナによって定義されています。
ServiceNowのペルソナは「実装者(Implementer)」、「システム管理者(System Administrator)」、「開発者(Developer)」、「アプリケーションスペシャリスト」の4つに分かれます。
ServiceNowの導入・開発・運用を行う場合はシステム管理者・開発者、そして扱う各製品の実装者としてのラーニングパスで学習することとなります。
ラーニングパスの抜粋(ITSMの場合)
ServiceNowのラーニングパスについてはPDF資料「Learning Paths by Persona」をご確認ください。
トレーニングと認定資格
トレーニング
各トピックごとにトレーニングが用意されています。
実地でのハンズオン形式で、トレーニングは日本語もしくは英語で通訳が付く場合があります。
テキストはペーパーもしくは電子ブックで英語です。
https://www.servicenow.co.jp/services/training-and-certification.html#
認定資格
トレーニングと同様に各トピックで認定資格があります。
事前に指定のトレーニングの受講が必須のものもあります。
試験は実地もしくはオンラインで受験できます。
参考:ServiceNow Certificate System Administrator (CSA)の受験記録
資格の有効期限
認定資格の認証は新バージョンのリリースごとに公開されるデルタ試験に合格することで維持できます。デルタ試験は各バージョンのリリースから15日後に公開され、試験のリリースから90日以内に合格しなければなりません。デルタ試験は試験監督者なしのオンライン試験です。
ライセンス費用
ServiceNowは製品ごとのライセンス費用を公開していません。
料金を知るには要件に応じた見積もりをする必要があります。
さいごに
随時情報は最新のものにアップデートしますが、翻訳ミスや改定などにより最新と情報が異なる場合があることに注意してください。